10/15(月)ワークショップを開催しました

2012年10月15日(月)10:30-12:00 京都市左京合同福祉総合センター3 階にて、「日本語を母語としない家族を応援するためのサポーター養成講座」を開催しました。

当日は今年度Jaforeが発行した、「小さな子どもがいる家族のための日本語・英語会話ガイドブック」を配布しました。


グループディスカッションでは、24名の参加者が4つのグループに分かれ、日本語を話さない家族が京都で子どもを育てるときに不便に感じるであろうこと、困るであろうこと、また参加者自身が相談されたことなどを出し、解決策、私たちにどんなことができそうか、ということを話し合いました。

さまざまな問題点とその解決策が提案されました。情報、言葉、地域とのつながり、制度の違いに関するものが多く出されました。

地域の中、身近な友だちで手を貸してくれる人が1人いれば、問題が解決することが多く、困ったときに気軽に相談してもらえるような関係づくり、地域づくりが大切であることを改めて感じました。外国人を見ると、つい肩に力が入ってしまいがちな日本人が垣根を少しずつ取り除いて、外国人が助けを求めているときに手を差し伸べやすい環境ができたら素晴らしいですね。

たくさんの気づきがある有意義な講座となりました。
ご参加いただき、ありがとうございました。

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以下、講座で話題にあがったことです。


【日本語を話さない家族が京都で子どもを育てるときに不便に感じるであろうこと、困るであろうこと、また参加者自身が相談されたこと】

【情報】

・子どもの趣味や習い事の情報を知りたいがわからない。
・どこに行けば知りたい情報を教えてもらえるのかがわからない。
・公園情報を知りたい。
・幼稚園のお手紙が漢字ばかりだと理解できない。ひらがなでふりがなを書いてくれて助かった事例があった。
・幼稚園が外国人の子どもを受け入れてくれるかどうか。(実際は日本人ママが外国人ママと交流してサポートしている感じである。)

【地域とのつながり】

・子育て中の外国出身の家族が気軽に参加し交流する場が少ない。
・友達がいない。
・孤独。
・誰に、どこに相談したらいいのかわからない。

【言葉】

・子ども同士のけんかを注意しても伝わらない。
・病院、薬局での言葉の問題(病気の時症状が伝わらない、薬の飲み間違い)
・西洋圏(アメリカやイギリス、フランス)の人々は共通母語どうし集まるコミュニティを持っているためあまり日本人を必要としていない
・日本語がはやすぎて聞き取りにくい。関西の方言がわからない。
・日本語を勉強したけど、子どもがいてできない。

【制度】

・日本の保健所の妊婦へのサポートがとても助かる。(例えば、プレママ教室や双子を妊婦へのパンフレット配布など)しかし外国人ママはそういうシステムがあることを知らないことがある。
・日本と母国のお産のスタイルの違いにとまどったり、 産後ケアのことがわからず困る。
・日本の子育てに関わる制度が複雑(例えば、出産手当、予防接種など)
・健康保険、教育制度の違い

【解決策話しあい】

【情報】について

・少しずつ、多言語での情報発信を増やしていく必要がある。
・外国語対応の出来る病院・診療所の情報がわかると良い。
 ex)医師・看護師・助産師の誰が話せるのか、どこの言語対応なのか、を情報提供する。
・保健所で母子手帳をもらえたり出産に有用な情報がもらえることを知らせる。
・日本で行っている出産や産後ケアを情報を事前に提供する。
 ex)保健所でのプレママ教室、産後保健婦の家庭訪問があること、など。
・以上の情報を載せたリーフレットを病院や保健所に置いておけば、外国人ママが情報を得やすくなる。

【地域とのつながり】について

・出産届けを提出する窓口や子供の健診で利用する保健センター、助産師さん訪問の際に、母語で交流できるところや子育てに関わる情報を紹介をする。
・外国出身の家族の利用が多いと思われる児童館に外国語がっできる子育て支援サポーター(多言語)をおく。
・Jaforeが毎月開催している「多言語子育てひろば」に来てもらうとともに、絵本を読んでもらったり、お国事情について話してもらうなど、活躍できる場を増やす。

【言葉】について
・日本語であいさつを言う(伝えたい、通じたいの気持ちが大切。)
・通訳などサポートできる人を増やす。
・学校の道徳の時間にでも、“外国出身の家族や観光客に出会ったら、日本語であいさつ、簡単な日本語でゆっくり話してみよう!”などの多文化共生教育などを取り入れ対応を教える。(観光都市京都では必要)
・外国出身の方々にわかりやすい日本語(ゆっくり、シンプル、標準語)を話すように心がける。

【制度】について

・子育て制度を簡単な日本語やその方の母語で説明できるスタッフを保健センターや役所の窓口においたり、多言語リーフレットを作成しておく。